【要約】5分で読める『OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』まとめ

【要約】5分で読める『OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法』まとめ マネジメント

どうも、TJです!(自己紹介はこちら

今回ご紹介するのは、「OKR(オーケーアール)」です。

OKRは、あのgoogleも20年以上前から採用している目標管理ツールで、私が勤めている会社でも使われています。

今回はOKRを導入するメリット、決め方、運用方法について、重要な部分に絞って解説したいと思います。

それでは見ていきましょう!


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OKRとは?

OKRは「Objective and Key Results」の略で、月に届くような大きな目標、いわゆるムーンショットを実現するための目標管理ツールです。

元々は米・インテル社で誕生し、googleやFacebookなどのシリコンバレー企業で採用され有名になりました。

Objectiveは「目標」、Key Resultsは「主な結果」のことで、「O:成し遂げたいこと」と「KR:それを実現できたかどうかを判断する指標」と言い換えられます。

Oは定性的なもの(以下の条件を満たすもの)をひとつだけ、KRは定量的なものを3つくらい決めます。

Objectiveの条件
  1. 定性的で人を鼓舞する内容にする
    • 従業員が毎朝ワクワクしながらベッドから飛び出すようなものにしよう
  2. 時間的な縛りをつくる
    • 1ヵ月や四半期で実現できるものにしよう
  3. 各チームが独立して実行できるようにする
    • 「他のチームのせいで達成できなかった」と言い訳できないものにしよう

KRは「Oを満たしたかどうか」が定量的に測れるものなら何でも構いませんが、達成自信度50%(目標を達成できる自信が半分しかない)ぐらいのものを設定しましょう。

自分が設定したKRを見て、「これを達成するためにはあらゆる面でベストを尽くさなければならないな…」と憂鬱な気持ちになったら、おそらく適切な目標であると言えます。

本書には、以下のようなOKRの例が挙げられています。

O(Objective):外食産業向け納入業者に対して、高級茶プロバイダーとしての明確な価値を確立する

KR:再注文率85%
KR:再注文のうち20%はお客様自ら実行
KR:売り上げ25万ドル

また、高い目標を持つことの大切さは、ユニクロ創業者柳井正さんの「経営者になるためのノート」でも語られていますので、ぜひ併せてご覧ください。

なぜOKRなのか?

では、OKRの何がそんなに優れているのでしょうか。

その答えは、以下の3つです。

OKRが優れている3つのポイント
  1. 敢えて高い目標を設定することで、メンバーを鼓舞することができる
  2. やることが他にどれだけあっても、チームが常に望ましい最終形態に向けて進むことができる仕組み(運用方法)がある
  3. メンバーが目標を忘れず、かつ個々人が責任を自覚できるような習慣をつくりだす仕組み(運用方法)がある

特に、OKRで大事なのは「目標を決めた後」であると言われており、その運用方法が肝になります。

これについては、後ほど解説します。

OKRの決め方

運用方法についてお伝えする前に、まずはOKRの決め方について解説します。

本書にもOKRを決めるまでのスケジュールが具体的に書かれていますが、以下の手順で決めていきます。

OKRを決めるまでの9STEP
  1. 全従業員にOKR研修を実施し、OKR導入の心構えを完了させる
  2. 全従業員に「会社が次の四半期に追求すべきだと思う目標」を提出してもらう
  3. 部門長に「最も優れた目標」と「最も多かった目標」をまとめてもらう
  4. 経営幹部でOKR設定ミーティングを開催し、OKRを決める
  5. OKRを部門長に伝え、部門OKRを決めてもらう
  6. CEOが部門OKRの承認を行う
  7. 部門長が会社と部門のOKRを下位のチームに伝え、チームOKRを設定する
  8. チームOKRをもとに個人OKRを設定する
  9. 全従業員が参加する会議でCEOが四半期OKRを設定した理由を説明する

それではひとつずつ見ていきましょう。

STEP1 全従業員にOKR研修を実施し、OKR導入の心構えを完了させる

まずはメンバーにOKRについて知ってもらいます。

本書を配って読んでもらうか、この記事に書いてある内容を伝えるだけでも十分です。

特に、なぜOKRを導入するのかを重点的に伝えるようにしましょう。

STEP2 全従業員に「会社が次の四半期に追求すべきだと思う目標」を提出してもらう

提出方法はアンケートでも付箋に書いてもらうでも何でも構いませんが、締切までの時間は短く設定しましょう。

あまりダラダラと考えさせることでプロセスを遅らせてはいけません。

全従業員に目標を考えてもらうことで、OKRへの主体的な関わりが強まるとともに、社風の健全性が保たれているかについて知ることができるという副次的なメリットがあります。

STEP3 部門長に「最も優れた目標」と「最も多かった目標」をまとめてもらう

部門長の主体性を高めるために、各部門の集計結果をプレゼンしてもらうのもおすすめです。

私が務める会社でも実施しましたが、効率よく各部門の状況を知ることができてとても有益な機会になりました。

STEP4 経営幹部でOKR設定ミーティングを開催し、OKRを決める

ミーティングは多くても10人まで。

CEOが主催し、4時間半(休憩30分含む)確保します。

経営幹部もそれぞれ目標を1つか2つ考えてから臨みましょう。

まずは、全従業員から提出された目標と経営幹部が考えた目標を一覧できるように、あらかじめ目標を付箋に書いてホワイトボードに貼っておきます。

それを見て議論しながら、内容が重複する目標を統合していき、3つの目標に絞ります。

続いて、全員でそれら3つの目標を測定するための指標をできる限り多く付箋に書き出します。

これはフリーリスティングと呼ばれる手法で、1つの目標につき10分程度で行いましょう。

書き出した目標を眺めて、内容が似ている指標をグループ化します。アフィニティ・マッピングと呼ばれる手法です。

例えばDAUについて書いてるものが2つあったら、それらの付箋を重ねて貼り、2票入ったと数えます。

同じ要領で指標をまとめていき、最終的に3つの指標を選びましょう。

それから、各指標の目標値を設定していき、その値が本当に「ムーンショット」と言えるくらい高い目標なのかどうかを話し合います。

最後に5分間で最終的なOKRについてネガティブチェックを行います。

人を鼓舞するようなOになっているか、KRは意味のある内容になっているだろうか、自信度は五分五分になっているか、四半期の間ずっと、このOKRを生活の一部にできるだろうか。

これらの視点で、フラットに話し合いましょう。

STEP5 OKRを部門長に伝え、部門OKRを決めてもらう

OKRが決まったら部門長に共有し、部門OKRを設定してもらいましょう。

設定の仕方は、会社のOKRを決めたときと同じやり方で決めてもらいます。

STEP6 CEOが部門OKRの承認を行う

必ずCEOが部門OKRを承認します。

的外れな部門長がいた場合には、フォローアップの話し合いを設けましょう。

全員が向かう方向を正す意味でとても重要なSTEPなので、丸1日を確保してください。

STEP7 部門長が会社と部門のOKRを下位のチームに伝え、チームOKRを設定する

部門OKRがCEOに承認されたら、それをさらに下位のチームに共有して、チームごとのOKRも設定します。

STEP8 チームOKRをもとに個人OKRを設定する

個人OKRを導入している会社では、この段階で設定し、必ずマネージャーが承認してください。

コーチングのための絶好の機会なので、メールなどで済ませず1on1の面談で個人OKRについて話し合いましょう。

STEP9 全従業員が参加する会議でCEOが四半期OKRを設定した理由を説明する

ここまでの手順がすべて完了したら、全従業員が一堂に会する場を設け、CEOからOKRを設定した理由を丁寧に伝えます。

決意あふれるポジティブなトーンを心掛けてください。

OKRの運用方法

前述の通り、OKRの成功はその運用方法にかかっています。

OKRを試験的に導入する多くの会社は失敗し、それをシステムのせいにする。
しかし、どんなシステムでも、実際にうまく運用しなければ機能しない。
四半期の初めにゴールを設定して、その終わりには魔法のように達成できていると期待するのは、あまりにも考えが甘い。
コミットメントとお祝いのリズムをつくることが重要なのだ。

「第2部 OKRの実行を習慣にする」より引用

著者が述べるように、「コミットメント」と「お祝い」がキーワードです。

それぞれ解説していきます。

月曜のコミットメント

毎週月曜日はチームでチェックイン・ミーティングを行って、会社の目標達成に向けて今週コミットするべきタスクについて話し合います。

ミーティングでは、以下の4つについて確認し合いましょう。

チェックイン・ミーティングで話し合う4つのこと
  1. 今週の優先事項
    • 会社の目標達成に向けてやるべき重要な仕事を3~4つ挙げ、その優先順位でOKRが達成できるか話し合います
  2. 今後4週間の予定
    • 先々の予定を伝えておくことで、メンバーがそれらの予定に貢献したり、予め準備ができたりします
  3. OKR自信度
    • 先週から上がったか下がったか、それはなぜかについて話し合います
  4. 健康・健全性指標
    • 目標達成に向き合う一方で、守りたいことを2つ選びます。例えば、メンバーの健康や顧客との関係などを設定し、悪化したときに把握して解決策を話し合いましょう。

ミーティングを行う目的は、チームメンバー全員がコミットして共通のゴールを達成するために互いに助け合うムードをつくることなので、できるだけシンプルに、話し合いの時間を多めに取るように工夫しましょう。

私の会社でもありがちですが、状況報告や共有がメインのミーティングになると形骸化し、本来の目的を叶えられなくなります。

金曜のお祝い

毎週金曜日は「ウィン・セッション」を行いましょう。

ウィン・セッションでは、お酒を飲みながら各チームが見せられるものをなんでも見せ合い、互いにそれを称賛します。

作業中のコード、デザインモック、営業部門で成約に至った顧客リスト、プレゼンのために作成した資料など、なんでもOKです。

OKRは敢えて高い目標を目指すので、ゴールにどれだけ近づいたかが分からないままでは憂鬱になりがちです。

そこで、ウィン・セッションを行うことで、共有できるものをつくることがメンバーにとっての楽しみになり、メンバーが勝利を求めるようになり、メンバーが特別な勝者のチームに属しているような気分になれます。

そして最後に、会社が各部門の仕事に感謝し、社員が日々何をしているのかを理解できるようになります。

会社はぜひ、サポートのしるしとしてお祝い用のお酒やお菓子の代金を負担しましょう。

なぜなら、会社で働くすべての人は会社にとっての最大の資産だからです。

よくあるOKRの失敗例

最後に、OKRの失敗につながる例を紹介します。

ここでいう「失敗」というのは、OKRをひとつも達成できなかった場合、すべてのOKRを達成してしまった場合、OKRプロセスがビジネスに有用な影響を与えない場合のいずれかを指します。

よくあるOKRの失敗例
  • 四半期ごとのゴールが多すぎる
  • 週ごと、あるいは月ごとにOKRを設定してしまう
  • 目標に数字を入れてしまう
  • 自信度レベルの設定を忘れてしまう
  • 自信度レベルの変化の追跡を忘れてしまう
  • 月曜日のチェックイン・ミーティングを状況報告に使ってしまう
  • 金曜日に厳しい話をしてしまう

正直「うわ、これやっちゃってるわ…」というのがいくつかありました。笑

みなさんもぜひお気をつけください。

まとめ

いかがだったでしょうか。

OKRを導入するメリットや、成功させるための秘訣など、なんとなくお分かりいただけたのではないかと思います。

私の会社でも数年前からOKRを導入していますが、まだまだ成功しているとは言えません。

今回学んだ内容を活かして、会社を大きな成功に導けるように工夫していきたいと思います。

ではまた!


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