どうも、TJです!(自己紹介はこちら)
今回ご紹介するのは、英語講師のスティーブ・ソレイシィさんが書かれた「難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください!」です。
本書では、NHKラジオにも出演する人気ネイティブ講師であるソレイシィ先生が教える、「初心者が本当に英語を話せる」最短ルートについて書かれています。
「TOEICではそこそこの点数を取れるのに話すのは苦手」「とにかく今すぐ英語圏の人とコミュニケーションがとれるようになりたい」という方は必見の内容となっています。
今回は「使える英会話フレーズまとめ」と題して、本書で紹介されている「本当に英語を話す」ために役立つ表現や考え方をまとめてご紹介したいと思います。
それではさっそく見ていきましょう!
Chapter 1:考え方編
ソレイシィ先生は、「釣り竿表現」を使いこなせれば、最低限の努力で英語のコミュニケーションができるようになると言います。
「釣り竿表現」とは、日本語でいうところの「大丈夫です」や「よろしくお願いします」などの、いろんな場面で応用がきく汎用性の高い表現のことです。
さらに、釣り竿表現はジェスチャーと組み合わせることで表現力が大幅にアップします。
それでは、今すぐ使える釣り竿表現をいくつかご紹介します。
- カメラのシャッターを押していただけますか?
- (目を合わせてカメラを差し出して)Would you?
- この最後のピザ食べちゃってもいい?
- (目を合わせてピザを指さして)May I?
相手にやってほしいことは「Would you?」、自分がやることは「May I?」で表現しましょう。
- わき腹が痛いです
- (わき腹に指をさして)I have a problem here.
- モニターの調子が悪いです
- (モニターを指さして)I have a problem with this.
「I have a problem~」は、旅行先や飛行機での移動中に困ったことがある場合に使えるとても便利な表現です。
また、以下のポイントを意識すると発音の上達が早くなるので、ぜひ覚えておきましょう。
- 大きい声で発音
- カタカナをガイドにして短くコンパクトに発音
- アクセントだけはっきり、他をちょっぴり発音
- dog → 「ダ」g
- stop → s「タ」p
- milk → 「メ」lk
- とにかく短く発音する
- When do you have to live? → ウェンダヤハフタリゥ
- Would you say that again? → ウルセーンダ、アゲイン
- It’s no big deal. → イツノビデオ
よく「口の形を覚えて」発音を練習するべきだと言いますが、実は遠回りなやり方なのです。
日本人には「カタカナ」という強い武器があるので、これを利用しない手はありません。
Chapter 2:ペラペラ入門編
ペラペラ入門編では、「英語で道を聞かれた時や、海外旅行で困らないようにする」ための表現をご紹介します。
- また会いましたね/たびたびすみません
- Hi again.
- はじめまして、私はスティーブです
- Hi, I’m Steve.
- おつかれさまです、ジョンさん
- (すれ違いざまに)Hi, John.
実は、「Hi.」は「はじめまして」から「おつかれさま」まで幅広いニュアンスを表現できる、万能な挨拶なのです。
- すみません/ごめんなさい/申し訳ありません ※謝罪のsorry3段階
- Sorry. / Sorry about that. / I’m sorry about that.
- (聞き取れなかったときに)もう一度お願いできますか?
- Sorry?
- それは大変ですね
- Sorry to hear that.
「Sorry」は、謝罪のレベルによって表現を使い分けましょう。
- ありがとう/どうも
- Thanks.
- (返答)いえいえ
- Not at all. / My Pleasure. / Sure.
ちょっとした親切に対して「Thank you.」と言うと、場合によっては偉そうに聞こえてしまうことがあるので、「Thanks.」を使っておいた方が無難です。
- (道を聞かれた時に)あちらの方です
- (目的地の方を指さしながら)It’s that way.
- (道を確認したい時に)あちらの方ですか?
- It’s that way?(語尾を上げる)
さらに補足する時は、「It’s on the left.(左にあります)」「It’s fifteen minutes from here.(ここから15分かかります)」など、「It’s」を使って説明しましょう。
- お冷をお願いできますか?
- May I have ice water?
- スペルを教えていただけますか?
- May I have the spelling?
- 営業責任者を呼んでいただけますか?
- May I have the sales manager?
- 荷物を下ろすのを手伝っていただけますか?
- May I have some help with my bags?
「May I have ~?」は欲しいもの、欲しい情報、呼びたい人、手伝ってほしいことなど、なんでもお願いできる便利なフレーズなのでぜひ覚えておきましょう。
ちなみに、「Water please.」など「単語+please.」は、「水くれ」のように失礼かつ幼稚な英語になることが多いので注意が必要です。
Chapter 3:ペラペラ初級編
ペラペラ初級編では、「自分の思ったことをなんとか伝えられるようにする」ための表現をご紹介します。
まずは、本題に入る前に付け加えると話が通じやすくなる「枕言葉」です。
いきなり本題を言うと、相手も心の準備ができておらず話が通じないことがあるので、ぜひ以下の表現を付け加えましょう。
- ちょっといいですか?
- Excuse me.
- ~のことで困っています
- I have a problem with ~.
- 申し訳ありませんが~
- I’m sorry, but ~.
- お願いがあります
- I have a favor to ask.
- ~について覚えていますか?
- Do you remember ~?
- (語尾につける言葉)それでよろしいですか?
- Is that OK?
- (語尾につける言葉)~だよね? ※付加疑問文
- ~, right?
例えば、部屋の鍵をなくしたことを伝えたい場合は「Excuse me. I have a problem with my room. I’m sorry, but I lost my key.」と言うと、相手が理解しやすい表現になります。
このように、「文章は短く」「かみ砕く」「枕言葉をつけて文を複数にする」のが、相手に伝わる文章のコツです。
また、語尾につける言葉として、自分の言ったことを受け入れてもらえるか確認したい時には「We don’t have a reservation. Is that OK?」、事実を確認したい時は「You turned off the TV, right?」といった表現が便利です。
続いて、会話の中でよく使うのが「たくさん」「見る」です。
- たくさんの水
- a lot of water
- たくさんの人
- a lot of people
- たくさんの仕事
- a lot of work
- 野球の試合を見たい
- I want to see a baseball game.
「a lot of」は、可算名詞と不可算名詞どちらにでも使えるので、「たくさんの~」と言いたい時は「a lot of」を使うと決めておきましょう。
また、「watch」「see」「look」の「見る」で迷った場合は、「see」を使うと決めておくのがおすすめです。
さらに、どれを使えば良いか迷ってしまうのが「冠詞」ですが、これについては「裏技」があります。
- 名詞には「必ず」冠詞をつけるクセをつける
- 冠詞を使わないことは稀なので、慣れてきたら使わない時だけ削る
- 「a」と「the」で迷ったら「ン」をつける
- 例:Did you find ン book?(本は見つかった?)
ちなみに、前置詞の「in」と「the」で迷った場合は「エ」を使うという裏技もあるので、こちらも覚えておきましょう。例:Who is エ the office now?(オフィスにいるのは誰ですか?)
ただし、短くスムーズに言うことが絶対条件です。
Chapter 4:ペラペラ実践編
ペラペラ実践編では、「英語で日常会話ができるようになる」ための表現をご紹介します。
まず、フリートークが上達するためには「十八番(オハコ)」を用意しておくことがおすすめです。
つまり、「家族」「仕事」「趣味」など、よく話題に上りがちなテーマに対して文章を考えておいて、スラスラ話せるようにしておくのです。
以下は、私自身の十八番の例です。
- 私の家族は4人です。妻と息子と娘と私です。息子は4歳で、幼稚園に通っています。彼は工作が大好きです。娘は2歳です。とてもかわいいです。私はいつか家族と一緒に海外に移住したいと考えています。
- There are four people in my family. My family members are my wife, my son, my daughter, and myself. My son is 4 years old and goes to kindergarten. He loves crafts. My daughter is 2 years old. She is so cute. I’d like to move abroad with my family someday.
- 私は東京に住んでいます。日本の首都です。近所にはたくさんの公園があります。週末はよく家族と車で公園に行きます。私の家は駅に近いです。通勤にとても便利です。
- I live in Tokyo. It’s the capital city in Japan. There are a lot of parks around my area. I often drive to parks with my family on weekends. My house is close to the station. It’s so convenient for commuting.
- 私はインターネットの会社で働いています。私たちの会社ではブログサービスを18年間運営しています。私は10年間、マーケティングやデータ分析を経験してきました。いつか海外で働きたいと思っています。将来は、教育サービスを創りたいです。
- I’m working at an Internet company. We’ve been running a blog service for 18 years. I have 10-years experience in marketing and data analysis. I want to work abroad someday. I’d like to create educational service in the future.
- 私は読書が大好きです。読んだ本についてブログを書くのも好きです。私のお気に入りの本は森岡毅さんが書かれた「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」です。彼は、日本で最も優れたマーケターの一人です。私はいつか彼のような偉大なマーケターになりたいです。
- I love reading. I also like to write blogs about a book I read. My favorite book is “The One way of thinking that Dramatically Changed USJ” written by Tsuyoshi Morioka. He is one of the most famous marketer in Japan. I want to be a great marketer like him in the future.
この十八番をベースに、あえて少し難しめの言葉を入れて話すことで、徐々に語彙力が高まっていきます。
さらに、会話を続かせるための釣り竿表現として「How about you?」がおすすめです。
- (元気?という質問に対して)元気だよ、あなたは?
- I’m fine. How about you?
会話が続く秘訣は「相手の質問に答えたら必ず質問を返す」ことなので、「How about you?」と聞き返すことで会話が止まってしまうことがなくなります。
ちなみに、英語には日本語ほど「失礼な表現」というのは存在しませんが、これだけは覚えておいた方がよいというものをいくつかご紹介します。
- 失礼:Sit down.(座れ)
- 丁寧:Have a seat.(お座りください)
- 失礼:Where are you from?(どこから来たの?)
- 失礼:I want two bags.(袋が2つ欲しい)
- 丁寧:I’d like two bags.
「Where are you from?」というのは、人種や顔など相手がマイノリティであることを意識させてしまう可能性がある表現なので避けましょう。
また、「I want ~」というのはとても幼稚な言葉で、ネイティブからすると失礼に聞こえてしまうことがあるので、「I would like」を使うことをおすすめします。
Chapter 5:ペラペラビジネス編
ペラペラビジネス編では、「英語を使って仕事ができるようになる」ための表現をご紹介します。
ビジネス英語と聞くと、「難しい単語や表現を使わなければならない」と思いがちですが、その必要はありません。
自分の分野の専門用語を少しと、これまでに出てきた釣り竿表現、さらに以下でご紹介する「ビジネスで使える釣り竿表現」を使うことで、十分にコミュニケーションが取れるはずです。
- 3月までにお支払いをお願いしたいのですが
- We’d like payment by March.
- とりあえず10個発注したいのですが
- We’d like to order 10 for now.
ペラペラ実践編で解説したように、「I want ~」という表現だと、だだをこねている印象になるので、ビジネスシーンでの利用は避けましょう。
- 経済・経営状態がいい/悪い
- Business is good/bad.
- ほとんどの銀行で北朝鮮との取引は禁じられています
- Most banks can’t do business with North Korea now.
- 円安によって繁盛している
- A weak yen is good for business.
- これはプレゼン用です
- This is for the presentation.
- これはマーケティング部宛てですか?
- Is this for Marketing?
- 注文のことで困っているのですが
- There’s a problem with our order.
相手が間違っている時は「This is wrong.」などを使うとカドが立つので、言い方には注意が必要です。
ペラペラ実践編でもご紹介したように、ビジネスシーンでも使ってしまいがちな失礼な表現がいくつかあるので、ぜひ覚えておくことをおすすめします。
- 返信をお待ちしています
- 失礼:I’m waiting for your reply.
- 丁寧:I’m looking forward to your reply.
- もう一度言っていただけますか?
- 失礼:Again, please.
- 丁寧:Would you say that again, please?
- (決まりなどで)~しないとダメです
- 失礼:You have to ~. / You must ~.
- 丁寧:We have to ~. / You need to ~.
- ~をおすすめします/~したほうがいいです
- 失礼:You should ~.
- 丁寧:You might want to ~.
- おいくらですか?
- 失礼:How much?
- 丁寧:May I ask how much this is?
- お名前を教えていただけますか?
- 失礼:What’s your name?
- 丁寧:May I have your name?
- 少しお待ちいただけますか?
- 失礼:Please wait.
- 丁寧:Just a moment.
前提として、失礼になるかどうかはあまり気にせずに、かみ砕いた連続文章でスムーズに話すことが大切です。
また、会話の途中で分からないことがあったら、手を挙げて話を遮ってでも聞くことが大事です。
日本では最後まで人の話を聞くことが美徳とされますが、欧米のビジネスシーンでは、むしろ話を遮ってでも質問した方が、「この人は真剣に話を聞いている」と思われ、信頼につながります。
- 話をとめる
- May I?(ちょっといいですか?)
- Just a moment.(ちょっと待ってください)
- わからないところを伝えたり説明を求めたりする
- Would you say that again?(もう一度言っていただけますか?)
- Would you explain the first part again?(最初の部分をもう一度説明していただけますか?)
- What does that mean?(その意味を教えていただけますか?)
仕事で英語の電話がかかってきたときは、焦らずに以下の手順にしたがって対応しましょう。
- 相手とチューニングする
- Can you hear me well?(よく聞こえますか?)
- What time is it there?(そちらはいま何時ですか?)
- 本題に入る
- How can I help you?(いかがいたしましょうか?)
- 状況に応じて対応する
- 名前が聞き取れない:May I have your name?(名前をお願いします)
- 電話をつなぎたい:Just a moment.(少々お待ちください)
- 話したい人がいない:I’m sorry but he/she is not here now.(申し訳ありませんが外しております)
ビジネスシーンで使える表現をご紹介してきましたが、商談をうまく運ぶカギは「キャッチボールの数」です。
まずは1分間に5往復ぐらいキャッチボールが続くように、ビジネス用の「十八番」を増やしましょう。
番外編:元P&Gマーケターが教える超実践的ビジネス英会話
最後に、元P&GマーケターでMarketing Demo代表取締役の石井賢介さん直伝の「リアルビジネス英語のコツ」がとても参考になったので、番外編としてご紹介します。
石井さんと言えば、「【1時間で分かる】P&G流マーケティングの教科書」というnoteがバズったことでも有名です。
石井さん曰く、ビジネス英語のコツは「意図を理解する」「論理的に伝える」「へり下る」の3つです。
それぞれで覚えておくべき「釣り竿表現」は以下の通りです。
- もうちょっと解像度/理解度上げさせてもらえますか?
- Can you clarify ?
- Can I clarify what you mentioned?
- Could I make a clarification?
- もう一度繰り返して言ってもらえますか?
- Can you repeat the important points?
- Can you repeat key points?
- もうちょっと詳しく、具体的に教えてもらえますか?
- Can you elaborate this point/media plan/budget?
- もし私の認識が間違っていたら指摘してほしいです。
- Correct me if I’m wrong?
- 結論から言うと(要するに)、3つポイントがあります。
- In conclusion, I have 3 points, 1st about~, 2nd about, 3rd about~.
- 何か違う観点でお気づきの点ありますか?
- Do you have any perspective?
- 最後にまとめると~です。
- Let me summarize, ~.
- よく使う助動詞
- could/would/might/may
- ちょっと馬鹿な/当たり前の/基礎的な質問かもしれないんですが
- Maybe this is stupid question, ~.
- Could I have stupid/basic/fundamental question, ~.
- ちょっと教えていただけませんか?
- Could you educate me?
気になった方はぜひ動画もご覧下さい。(石井さんのYoutubeチャンネルは、マーケターを目指す人は必見です。)
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回ご紹介した「釣り竿表現」はどれも中学や高校で習うレベルの英語で、すぐに使えるものばかりだったと思います。
本書でソレイシィ先生も言及していますが、日本の英語教育は受験に重きを置きすぎていて、マニアックな文法や大量の英単語の暗記を強制するような、実践を軽視したものになってしまっています。
英語を話すためには、まずは「釣り竿表現」を身につけ、簡単な英語で実際に外国人と話す経験を増やすことが一番の近道です。
さらに、「スピーキングテスト」を受けることで英語の上達が加速するので、ぜひ受験してみましょう。(私も受験しようと思います)
ではまた!