どうも、TJです!(自己紹介はこちら)
今回ご紹介するのは、「ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法」です。
現・Zホールディングス執行役員の本間浩輔さんが書かれた本で、ヤフー式の面談技法である「1on1ミーティング」について詳しく説明されています。
今回は、「1on1を自分の会社に導入してみたい」「1on1をやっているけど、イマイチうまくいってる気がしない」という悩みを抱えるみなさんのために、大事なポイントに絞って解説したいと思います。
それではさっそく見ていきましょう!
結論
1on1とは、上司と部下が1対1で対話する時間のことで、部下の成長のために行うものです。
忘れてはならないのが、1on1は部下のための時間であり、主役はあくまで部下、上司は聞き手に徹するということ。
ついつい部下の言動には口を出したくなってしまいますが、ぐっと堪えて待つことを心がけましょう。
なんのためにやるの?
1on1は部下の成長のために行うと書きましたが、もう少し具体的に言うと「経験学習を促進させるため」です。
経験学習とは、現場で経験したことを内省し、そこから得られた教訓を再び現場で活かす、というサイクルを回して学んでいくことです。
特に1on1が担うべきは、「振り返り、内省する」「教訓を引き出す」の2つの部分です。
どうやってやるの?
1on1の具体的なやり方ですが、大きく4つのSTEPに分けられます。
1on1では、部下に十分に話をしてもらうことがとにかく大事です。
絶対にやってはいけないこと
絶対にやってはいけないのが、「部下の言葉を先取りしたり、途中で遮って自分の考えを話してしまう」「部下の言葉に対して否定したり、指示を出してしまう」などです。
このようなコミュニケーションを取ると、部下は自ら考えなくなり、学びは深まりません。
否定も常にNGではありませんが、上手に否定しないと上司依存の関係、つまり部下が常に上司の指示を待つようになってしまいます。
繰り返しになりますが、とにかく上司は聞き役に徹してください。
そして、部下の頭の中で出来事を再生させることを促し、リフレーミング(言い換え)やアクティブリスニング(相槌、繰り返し)も交えつつ、自分の意見や評価を加えずに言葉を返します。
そのような上司のニュートラルな反応に、部下は考えを深めていくのです。
また、部下の心理的安全性をいかに高めるかが重要となりますので、ぜひこちらの記事も併せてご覧ください。
沈黙はこわくない
ここまでの話を聞いて、「聞き役に徹しろというのは分かったが、面談中に沈黙が流れるのがこわい」と思う方も多いのではないでしょうか。
私自身も、1on1中に沈黙が流れると、「なんでもいいから喋らなきゃ」と思ってしまいます。
これに対して、本間さんは次のように語っています。
私は、社内の研修において、「上司が投げかけた質問に部下がすぐに答えられないときは、『部下が脳みそに汗をかいて考えている』ときだから、大切な時間だよ」と話をすることがあります。
「第3章 1on1における働きかけ」より引用
そういうときには、答え=言語化を急かしてはいけません。
いかがでしょうか、沈黙をこわがるのではなく、むしろ「沈黙を大切にする」という考え方が大事なんですね。
部下に合わせて最適化する
最後になりますが、ここまでお話ししてきたのは、あくまで1on1のひとつのモデルに過ぎません。
1on1の頻度や時間、場所、やり方などは、自分の部下の特性に合わせて柔軟に変えていくことが大事です。
どうしたら互いの信頼関係を構築しつつ、部下の成長を促せるかを常に考え、最適なやり方を模索していくことが上司の役割です。
そのためにも、「なんのための1on1なのか」を事前に部下とすり合わせておくことも必要だと思います。
ぜひ、自分なりのベストな1on1を見つけてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
本書には、ヤフーの現場社員の声も収録されているのですが、1on1導入当初は「本当に意味あるの?」「忙しいのに時間がもったいない」といった懐疑的な声も少なくなかったと書かれています。
しかし、1on1の実施が進むにつれ、「今まで知らなかった部下の一面を知ることができた」「気軽に上司に相談できる場として重宝している」などの好意的な意見が増えていったそうです。
足元の仕事に追われ忙しい日々だからこそ、1on1は上司と部下が互いの理解を深める場として、人材育成のツールとして効果的なのだと思います。
最後に、私が実際に使っている1on1シートのテンプレートを添付しますので、興味がある方は、ぜひダウンロードして使っていただければ幸いです。
記録用として使いつつ、部下と一緒にシートを見ながら対話のツールとして使うのもおすすめです。
ではまた!